我々は、本年2024年度を、10年後に創立100周年を迎える準備を開始する “初年度” として位置づけて、新たな気持ちで新年度の活動を開始いたしました。
開学の精神である“神を愛し、人を愛し、土を愛する”『三愛主義』を行動の拠り所とし、『健土健民』の具現化となる、“より良い社会づくり”に貢献できる“良き人財づくり”を追求し続けます。

創立者・建学の精神 – 学校法人酪農学園 | 酪農学園大学・とわの森三愛高等学校 (rakuno.org)

以下、2024年度の重点活動目標を列記いたします。

1) 学園経営プロセスの学園内・外への『見える化』をさらに高めていきます。

既存の『常任理事会』を改革中です。以前にも増して、議論が活発に行われるようになりました。
今後は、さらに改革を推し進め、『常任理事会』を発展的に解消して『学園経営会議(仮称)』とし、構成メンバーもより広く募り、より開かれた会議体とすることで、学園内意思決定プロセスの質(透明性、内容、スピード)を高めて行きます。

2) 理事会・評議員会によるガバナンス機能をさらに高めます。

文科省が提示する指針にも沿って、理事ならびに評議員の責任と権限の質を高める準備が進行中です。2025年7月からは、理事会・評議員会が新しい体制となります。これまで以上に、学園経営に対して、より質の高いガバナンス機能を発揮できる体制を構築します。

3) 世界に開かれた学園にしていきます。

JICAの青年海外協力隊開設以来、この約50年間に、本学園から累計で310名を超える学生・教員・卒業生が海外派遣活動に参画し、世界各地で多大な貢献実績を積み上げてきています。これも酪農学園が有する唯一無二の文化のひとつです。
本年7月には、本学の獣医学教育システムが、ヨーロッパ獣医学教育機関協会(EAEVE))から国際認証取得ができる見込みです。この国際認証取得を機会に、名実ともに世界で輝く獣医学教育研究の場を構築すると同時に、酪農学園の活動を世界に向けてより強く発信していきます。

4) 高校・大学の連携をこれまで以上に高めます。

酪農学園大学付属とわの森三愛高等学校から、より多くの生徒たちが酪農学園大学に進学することを実現します。そのことが生徒たちの将来にとって、より有益となるよう、大学側の受入体制・教育研究体制を充実させてまいります。

5) 社会とつながる共創プラットフォーム拠点としての学園価値を高めていきます。

『道立動物愛護センター(愛称;あいにきた)』が、酪農学園大学構内に開設され、4月から本格運営が開始されました。北海道の直営施設に、酪農学園大学付属動物医療センターが連携し、学生たちもその運営に協力してまいります。
 また、学校法人酪農学園の所在地である江別市と、また様々な企業と、イベント等を通じて協働し、街づくりに欠かせない近隣地域の人々の交流を活性化させていきます。

6) カーボンニュートラル&ネイチャーポジティブ両立への取り組み

日本政府が目標としている2030年でのCO2排出量を“対2013年で50%以上削減”することを達成すべく、省エネ活動のより一層の推進、ならびに太陽光発電の導入や農場でのGHG削減を目的としたバイオガス発電への投資、加えて、今後の学園内施設・設備の大規模再編計画の実現を推進してまいります。
また、これまで取り組んできている農畜産業における環境負荷低減や野生生物との共生における課題を、今、世界が直面しているネイチャーポジティブ(生物多様性の回復)の課題とシンクロさせて、酪農学園らしい取り組みを展開していきます。

7) 人事制度を刷新します。

『人事』(異動、昇格、降格、登用)、『評価』(スキル、業績)、『報酬』(給与、賞与)の3つの枠組みからなる制度を、教職員組合との協議を重ねて構築していきます。
同時に、組織単位での“『協同』の成果”を評価する制度をつくり、納得性のあるインセンティブ付与につなげること実現していきます。

8) ダイバーシティ&インクルージョンの実効性向上を推進し続けます。

ジェンダー平等はもちろんの事、一人ひとりが互いの価値観の違いを尊重し合い、かつ受け入れる風土、“ここではなんでも話せる”風通しの良い雰囲気を醸成し、結果として “いかなるハラスメントも許さない” 酪農学園をつくっていきます。

以上、我々、学校法人酪農学園の2024年度の活動にご注目下さい。

学校法人 酪農学園 理事長
髙島 英也